トップページ > 掌(てのひら)エッセイ > 【第一話】不動産を待つということ
「住めば都」という慣用句は誰でも知っている。『広辞苑』によると「住みなれれば、
ど
んな僻地や環境でもそれなりに住みよくなる」と言う意味だ。賃貸だろうが分譲だろうが、
広かろうが狭かろうが、人間には順応性があると言うことを分かりやすく教えてくれる。
また、書物や雑誌に「賃貸と分譲ではどちらが得か」といったテーマで論戦が
繰り広げられているのを良く目にする。
この比較は住み良さや快適性を度外視した、金銭的な損得の
問題を論じている。
だが、私は上手く表現できないのだが、「不動産を持つ」と言うことがかもし出す
独特の雰囲気を強く魅力として感じる。
皆さんは感じられたことがあるだろうか?
目には見えないけれども大きな影響を与え、深いところで我々の人格形成にまで
関わって
いるのがズバリ不動産だと思う。
「子どもは天井の高い家で育てると大物になる」とか、「賃貸では部屋数も少なく、
部屋
も狭い」、「月々の家賃が高くて、買えばすごい邸宅に住めるくらい払っている」など、
心に訴える要因が列挙される。
私たちは限られた人生の期間を、いかに有意義に過ごすかと言う命題を背負って
生きているのだ。その中で大きなウエイトを占めるのが不動産という存在ではないだろうか。
そこ
に何かがあるから、金利が上がっても、地価が上昇しても私たちは
不動産を求めるのである・・・。
株式会社ナカイ綜合事務所
代表取締役 中 井 勉